親が偏差値に右往左往してもいいことはない
6年生になると合不合判定テストやサピックスオープンなどの模試で、偏差値や合格率判定などがでるようになります。4年生や5年生でも、クラス分けの模試などでも偏差値がでて、それをもとにクラス分けが行われたりします。
この偏差値っていうのがけっこうやっかいで、親はつい絶対的な指標のように感じて、うるさく指導してしまったりします。
偏差値が下がっていくと、親の方がダメージを受けたりもします。逆に偏差値が上がるともっといけるんじゃないか、と偏差値の上下に右往左往したりします。偏差値は、しょせん受験者の中の位置づけにしかすぎないので、絶対的な評価ではなくあくまでも相対評価でしかありません。
偏差値がちょっと上がったり、下がったりしたことで、親が躍起になってハッパをかけたり、子どもとけんかしても、子どもの学習意欲が下がるだけです。
模試の偏差値はただの評価!入試で合格点をとることが目的
たとえば開成中学は80%合格の偏差値は71となっていますが、四谷大塚の合不合判定テストで偏差値71がとれたからといって開成の合格が約束されるわけではありません。模試はあくまでもオールラウンドな問題が出るテストで、開成の出題傾向にあった問題がでるわけでないからです。
中学受験はその学校の入試で合格最低点をとれればいいわけで、模試でいくらいい点をとっても本番で1点でも足りなければ不合格になります。
直前期なら過去問をやってみて、合格最低点がクリアできるように仕上げれば、いいわけです。もちろん模試でいつも偏差値40程度で基礎知識に欠ける人が、急に開成に受かるといったことはないでしょう。模試は基礎知識のどのジャンルがどの程度理解しているかを測定するためのテストですから、その偏差値のみに気をとられるのは得策ではありません。
つまりやるべきはどの分野が苦手で、どの分野の学習を強化するべきか、という冷静な判定です。通っている塾がどの程度対応してくれるのかはわかりませんが、少なくとも親は苦手と得意分野のセレクトができておくことが大切です。その情報をもって、塾に相談したり、学習方向を修正していけばいいと思います。
偏差値は模試の内容を精査するための道具
模試の活用用途は、成績を見てその数値にこだわるのではなく、どこを間違ったかのチェックをすることです。
6年生の100日を切った直前期には、もう模試はどうでもよくなってきます。強いて言うなら、サピックスや早稲アカで行う志望校別の模試は意味があると思います。塾がその志望校の試験傾向を検討して問題を作成しているので、本当に模擬試験として役に立ちます。
ただし、ここでも気にするべき数字は偏差値でなく、順位だと思います。その志望校の毎年の合格者が200名だとしたら、少なくとも200位くらいには入っておきたいところです。
その時期になってきたら、対策すべきは、出題範囲の苦手分野克服です。塾によっては最後の最後までクラス分けをしているところがありますが、そんなクラス分けも、偏差値も全然関係ありません。
偏差値などで右往左往するくらいなら、しっかりした学習計画を立てたり、全落ちしないための確実な受験校選びのプランをたてるほうがよほど有益です。
とはいえ、偏差値が出ればやはり気になるのは仕方ありません。それが下がったりすれば、親の方が不安になってしまいます。不安になって受験に有益でないことをいってしまったり、やってしまったりしてしまうこともあります。
中学受験の味方学は、そんな親の気持ちを安定させる一助になるワークです。親の気持ちに不安がよぎったらぜひ問い合わせしてみてください。